実釣ルポ

今秋も中海でチヌ爆釣「江島大橋下」

 

 昨年、一昨年と好調だった境水道のチヌ。今年はどうしたことだろうか、春の乗っ込み期からポツポツとは釣れるものの、あまり大漁情報は耳にしなくなった。とはいうものの、昨年、一昨年が異常な状態であって、今年が普通だという人もいる。しかし、一旦火がついてしまった境水道の大型チヌの話題、感触はそう簡単には忘れられない。今や、東は倉吉市、西は松江市を飛び越して出雲市からの常連客もあるくらいにその輪が拡がっている。

 この秋になって、境水道のチヌに再び明るい話題があった。10月の下旬頃から、渡の「江島大橋下」周辺で大型チヌ交じりで数も釣れるようになったようだ。ちょうど、前月号の編集の真っ最中だった10月29日、境港市上道町の足立俊郎さんから「久々に境水道で50cmオーバーを2匹釣りました」という内容のメールが入った。これが「江島大橋下」で釣れたものだった。

 足立さんといえば、境水道のチヌの情報には詳しい。今年は境水道がやや不調なので、回遊グレの方に顔が向いていたが、こちらもムラが激しく、やはり本来のチヌ釣りに戻ったところ、久々に大漁したとのこと。その後、この「江島大橋下」からはたびたび情報が出るようになった。そして、31日には56cmという巨チヌの情報も出た。

 「編集作業が終わったら一度取材に入りましょう」と編集部は足立さんにリクエストを入れていた。そしてお互いの日程を調整し、決まったのが11月12日。しかし、11月に入ってからは天候が不安定。12日も然り。前日には前線が通過するらしく、大雨、突風、雷と最悪の天気だった。そして当日は曇りながら、北東からの強風、外海では波高6mという天気予報が出ていた。

 11月12日、午前8時。外海に向かう取材なら、前日の段階ですでに中止していたが、渡の「江島大橋下」は境水道というよりすでに中海に入った辺り。内海であり、波高は1mもない。しかも渡は北東の風は追い風の位置になり、キャスティングにも支障はない。すでに足立さんと新見市石蟹の西村善樹さんの2人が竿を出していた。

 渡の「江島大橋下」は、弓ヶ浜半島の西側を走る県道47号線(通称「内浜線」)の米子空港、竜ヶ山競技場などを過ぎ、しばらく行くと「江島大橋」に入る三叉路の交差点がある。これを左折し100mも走ると信号がある。ちょうど「江島大橋」に入る直前であり、高い「江島大橋」に登るロープの前である。ここを左折して道なりに行くとほぼ90度湾曲して大橋と平行に走る。そして、中海の湖岸道路に突き当たる。突き当たった場所は以前「中浦水門」があった所だが、現在は閉鎖されている。右前方の空中には「江島大橋」の偉容が眺められる。道を右折して湖岸沿いの道を北に進むと「江島大橋」の真下に入られる。駐車スペースはたっぷりある。

 湖岸には高さ1m強のコンクリート護岸壁が施されており、足場は30cm幅のコンクリートの先端に人間の頭大の石が約50cm幅で敷き詰められている。このような風景が南の渡から北の外江まで見渡す限り続いている。真上には「江島大橋」の橋桁が東西に渡されている。その真下辺りで足立さんが竿を出していた。もう1人の西村さんは、ここから北に約30mの所に農業用水路の水門があり、その南側に立っていた。

 この辺りの水深は浅い。底が丸見えである。足元はほとんど50cmくらいだろう。海底はこの状態から緩やかに傾斜して、約20m沖でも2mちょっとしかないという。「水深にしたら1ヒロ半くらいと思うけど、一応ウキ下は2ヒロ取ってますわ…」と足立さんはいう。要するに底に這わせているのである。そして、2人とも約20m沖を攻めている。

 背後から北東の強い風が吹き抜けている。護岸壁が防風壁になっている関係か、約20〜30m沖辺りから風波が立ち、更に沖では白波が折れていた。寒い!風もさることながら、気温もかなり下がったことだろう。

午前中で6匹釣った足立さん。スカリが重そう。
この後、夕方5時まで釣って更に6匹追加した

 

 「今日はどんなか分かりませんよ…?」と、最初はちょっと弱気な足立さんだった。手返しすること1時間、それでもアタリが出ないからだ。しかし、編集部はこの荒れ具合に期待していた。更に30分、まだアタリがない。「ボラも釣れんとは…」と嘆いていた。しかし、9時40分、水門付近にいた西村さんの竿が曲がった。ラインが沖に沖に伸び、深みに向かって走っている様子が見てとれた。「ゆっくり、落ち着いて!」と声をかけた。それでもなかなか寄ってこない。かなり大物だろう。やはり水面に浮いたチヌは大型。タモで取り込んで、コンクリートに横たえた。体高の高い53.5cmの大型チヌだった。

 やっと出た。しかも、中海名物の50cm級の大型チヌだった。「確か、10時半頃が満潮のはずだったけん、その前後だと思う」と足立さんは踏んでいた。これを機に、足立さんは北に約10m移動した。それまでに2度根掛かりして仕掛けを失っていたからだ。

 そして、足立さんの予言通り、10時40分、足立さんの竿が曲がった。やり取りから見ると、これも大物の気配。上がったチヌを見ると、これも体高の高い大物。しかし、測ってみると45.5cmだった。その10分後、今度は西村さん。52cmの大型チヌだった。その後はほぼ10分おきに足立さんの竿が曲がり、足立さんの独壇場となった。51.5cm、52cm、45cm、39cm、47cmとお昼までの間に1人で6匹を釣り上げた。

 その間に足立さんの友人やら、遠来の出雲市からの2人組も加わり、結構賑やかな釣り場に変わった。編集部は午後1時には釣り場からお暇したが、その後も足立さんの好調は持続した。午後5時までで12匹の釣果。西村さんもその後2匹追加して4匹のチヌ。中海名物の50cmチヌはまだまだ続きそうだ。

 

午前中の釣果この通り。左から足立、永見、西村の各氏

 

渡の「江島大橋下」の位置
 
渡の「江島大橋下」のポイント図

 

足立さんの仕掛け

 


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